地域密着型のクリニックとして内科診療・健康診断をはじめ膝や肩の関節疾患やスポーツ外傷などの物理療法も充実した整形外科・内科の複合クリニックです。

スポーツ障害への取り組み(スポーツ整形)

医業経営情報誌Hint「開業奮闘記」のインタビュー内容をご紹介します。

水本整形外科では、スポーツ障害(膝関節障害)に対する治療に積極的に取り組んでいます。

スポーツ整形を軸に地域に貢献できる医療提供を目指す

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アスリート面でもメンタルを支えられる整形外科を目指し開業。

Q.開業のきっかけを教えてください。
水本: 中学生のころからバドミントンを始め、今でも続けています。若いころから、県内トップを走ってきたこともあり、けがをすることも多くありました。治療が長引けば、試合に出られないストレスや不安もたまっていきます。その経験から、適切にけがを治し、早く競技に復帰できるような整形外科医を目指すようになりました。
一貫してスポーツ整形に関わってきており、勤務医時代は、午前は外来、午後は手術という毎日を送っていました。バドミントンを中心とするトップアスリートたちが、けがから復帰する過程に深く携わることで、仕事に充実感を持っていました。ずっと手術ができる場にいたいという思いもあったのですが、義父から「一緒にやろう」と誘われ、地域に根付いた医療提供と孝行の意味もあり、整形外科を開業することにしました。

Q.開業にあたり、苦労はありましたか。
水本: 2013年に開業すると決めてからは、早かったですね。義父は、現在地で内科の診療所を経営していました。整形外科の開業にあたり、2階部分を整形外科の診察室とリハビリ室に改築することにしました。総合メディカルさんには、改築時の設計や機器の選定段階から関わっていただき、私の思いを汲んでいただきました。
スタッフも良い人たちに集まってもらえたと実感しています。面接の際、私は応募者の目を見て判断し、純粋だなと感じた人や、話してみて人当たりの良い人だと感じた人を採用しました。2014年8月の開業から1年以上が経ちましたが、採用した人は継続して勤務していますし、面接の際に感じた印象は変わらないままです。良い人たちに支えてもらったため、開業の苦労は感じませんでした。スタッフとは、「最初の一人の患者さんも、最後の一人の患者さんも、同じ気持ちで接すること」を基本方針としています。スタッフ同士でも話し合いの場を持ち、自主性を持って仕事に取り組んでくれています。

患者さんと心理的、物理的に近い距離で寄り添うクリニック

Q.クリニックの特色を教えてください。
水本: 当院は、私の勤務医時代の反省を生かした造りにしています。大きな病院は、診察室とリハビリ室が離れているため、リハビリ中の患者さんの話を聞いて、治療計画を臨機応変に変えることが難しいと感じていました。当時は、外来が終わってリハビリ室に行き、患者さんの様子をセラピストから聞き取り、次の受診時に方針を変更するという流れでした。これでは、リハビリに数日間のタイムロスが生まれ、患者さんはその間、痛みや違和感を我慢しなければなりません。
当院は、診察室とリハビリ室を直通にし、外来の空き時間にすぐにリハビリ中の患者さんのもとへ行けるようにしました。セラピストへの指示も的確に出せますし、患者さんが私が来るのを待ってくれていると強く感じています。診療室では遠慮して言えないことも、リハビリを受けながらであれば、「今のところが痛い」など、気軽に言えるようです。その場でリハビリの方法を変更するなど、患者さんにとってメリットは大きいと実感しています。
また、もう一つ考慮した点は、予約制にしなかったことです。勤務医時代、新患の方が多いと予約制にもかかわらず、かえって患者さんをお待たせすることがよくありました。このことを教訓に予約制をとらないことにしました。

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診療時も患者さんの話をじっくり聞くように心がけています

1日100人の外来患者さんが受診している

1日約100人の外来患者さんが受診しています

リハビリ中、スタッフも患者さんとのコミュニケーションを大切にしている

リハビリ中、スタッフも患者さんとのコミュニケーションを大切にしています

診察室から直結のリハビリ室

診察室から直結のリハビリ室

 

Q.患者さんはやはり、アスリートの方が多いのですか。
水本: 運動をしている小中高生やトップアスリートのほかに、中高年の患者さんも多くいらっしゃいます。開業当初は、勤務医時代から診ていた患者さんが多かったのですが、現在は7割程度が開業以降に受診された方です。私が国体選手団のチームドクターをしていることもあり、スポーツ整形分野では、バドミントンやその他の幅広い競技者が受診されています。
スポーツ整形では、リハビリの内容や復帰までのプログラムをきちんと説明し、患者さんと話し合いながら治療を進めます。特にトップアスリートは、メンタル面の支援も重要だと感じています。「競技に戻れるのだろうか」「けがをしている間に、他の人にポジションを取られるのではないか」など、トップにいるほど、下から追いかけられる不安やストレスは強くなります。
私が現役アスリートのころは、骨折やけがが多く、一方でスポーツに特化したリハビリが少なかった時代です。自身の経験を踏まえて、適切なリハビリがあることの大切さを伝えることで、患者さんの気持ちも落ち着いていると感じています。
中高年の患者さんは、膝や肩、足関節に痛みがある方がほとんどです。私は、内視鏡を使った手術も専門としており、手術が必要な方の7割は内視鏡での治療になっています。当院は近隣の九州記念病院と連携しており、患者さんに入院していただき、私が執刀するようにしています。今でも週2回は同院に出向き、年間200人ほどの手術を行っています。

社会人として通用する医師の育成にも力を注ぐ。

Q.今後の目標を教えてください。
水本: 今後もアスリートの治療と復帰支援を継続していきたいと思います。子どもたちの受診も多いことから、試合に勝つだけでなく、感謝の心をもって人に接することができる子になるような指導もしています。強くなると、自分の力だと勘違いする場合がありますが、受診した子には、「当院に来るにも、家族が連れてきてくれたでしょ。ありがたいね」などと話し、ご両親や家族の支えがあって競技が続けられることへの理解を促しています。感謝の気持ちを持てる子は、競技の世界でも大きく伸びていけます。そういう子が増えてくると、うれしいですね。
また、開業以来、新規の患者さんやリハビリの効果を実感していただいている方の受診が増えており、ありがたいと感じています。一方で、受診したいけれども、体が動きにくかったり交通事情のため、来院できないという方も多くいらっしゃいます。できれば、地域貢献の一貫として、訪問リハビリも実施していきたいと思いますが、今のところ、受診患者さんの増加に対するマンパワーの余裕がない状態です。そのため訪問リハは、状況を見ながら実施したいと思います。
私は現座、熊本大学医学部バドミントン部の監督として、週2回、医学生と接しています。バドミントンの指導だけでなく、社会人としての教育も重要だと考えています。学生たちには、あいさつと体育館の掃除、両親に感謝の気持ちを伝えることを徹底しています。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」。社会人として必要な基本を身につけて、医師になった後も、患者さんにきちんと接することができる人に成長していってほしいと願っています。

 

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